Research

 
school 情報通信技術の課題の探求
 


若宮研では,情報通信技術の発展に向けて,技術課題の解決に挑戦しています.特に,5G/6Gといった無線通信技術が発展してきており,以下のような新たなユースケースが登場してきています.

  1. 超多数のセンサ機器: IoTのシナリオとして,超多数のセンサが定期的・不定期的にパケットを送信します.将来的には数百万台/㎢にも及ぶとされている.5G/6Gのシナリオでは,massive machine-type communications (mMTC) と呼ばれます.
  2. 超多数の自動車の通信: 自動運転の実現に伴い,車車間通信 (V2V: vehicle-to-vehicle) が重要になっています.また,歩行者といった様々なものが車と通信するようになると,vehicle-to-everything (V2X) とも呼ばれます.
  3. 超多数のドローンの通信: ドローンによる配達や無線ネットワークの補助をするドローン基地局のために,ドローン同士 (UAV-to-UAV: U2U) やドローンと様々なもの (UAV-to-everything: U2X) が必要とされています.

また,新たな無線通信技術として,以下のような技術が登場してきています.

  1. non-orthogonal multiple access (NOMA): 干渉除去技術を用いて,1つのリソースで複数の信号を受信できます.いわば,聖徳太子のような通信が実現できます.
  2. grant-free (GF): 基地局との通信なしに自律分散的に通信する仕組みです.制御信号による帯域の消費がないこと,基地局とのやりとりによって生じる遅延を抑えられることから,重要な要素技術とされています.

若宮研では,このような新たなユースケースに対して,上記のような新たな無線通信技術を適用したときに生じる様々な技術的課題を見つけ出し,定式化することを目指し,研究を進めています.そのために,空間点過程を用いた確率幾何等の解析技法や粒子群最適化等の生命に学んだ最適化技法を組み合わせて,新たなユースケースでの面白い特性・特徴を示しています.また,本研究で発見した技術課題や知見を基に,Bio-ICTの実現に繋げています.

直近では,以下のような研究課題が採択されています,詳しくは,平井のWebページをご覧ください.

  1. 平井健士, 小蔵正輝, 若宮直紀, "多数端末収容のための無線LANに適した非直交多元接続向け自己組織型無線アクセス制御," 助成金額2,500千円, 研究代表者, 一般財団法人 テレコム先端技術研究支援センターSCAT研究費助成, 2022年4月–2025年3月.
  2. 平井健士, 若宮直紀, "車車間・歩車間無線通信における非直交多元接続を可能にする自己組織型制御の研究開発," 助成金額1,727千円, 研究代表者, 公益財団法人立石科学技術振興財団研究助成(A), 2022年4月–2023年3月.